文学というひとつの学術分野にとどまらず、その周辺にある歴史、美術、建築、宗教、政治、国際関係など縦横につながる領域にも研究を広げ、俯瞰して眺めることで、新たな視点とより奥行きのある知識を得ようと試みる“隣接諸学”。前後する時代、東アジア文化圏を根底にもつ境界、そして共に進むべき他分野の研究など、時代や国境を越えた俯瞰的な眺望は今後も欠かせない。
監修=鈴木靖民
監修=日向一雅
監修=小峯和明
監修=上杉和彦 監修者上杉氏は、経世とは「世を治めること」「信仰・呪術は政治や経済と結びつき、時に大きな影響を与える」と述べている。この10巻は多様ながら、いずれも社会生活に密着した事項を取り上げたシリーズで、令和の今、今後にも通じうる喫緊のテーマでもある。歴史を土台にしながらも他分野にクロスしようと試みた論文集でもある。
監修=西川杏太郎 責任編集=林温 古代から現在に至るまで、生活・社会に深く根ざした仏教。そのモニュメントが仏像であり仏画である。現時点で解明しうる論点を基本となる図像論・機能論・組織論の視座から取り上げた研究論集。
編集=山本登朗 10世紀後半の時代状況からして、伊勢物語が事実か虚構かの論争は今も絶えない。一方その後の物語はいうに及ばず演劇、歌舞伎に至るまで享受の大きさも計りしれない。日本文学形成の根幹に影響を与え続けてきた伊勢物語の全貌を示す。
編集=助川幸逸郎・立石和弘・土方洋一・松岡智之 「源氏学」とは〈知〉の地平を意識した呼称である。先人たちとは全く異なる時代・環境にありながらも物語に内包される新たな課題と真正面から向き合い私たちの言葉で応答したいもの。領域を超え多様な視座から解明する120篇の書き下ろし論文。
監修=佐藤直樹・喜多崎親・天野知香 画家、音楽家、詩人、哲学者など内外から集まり創造の場として独自の華を生み出した6都市の原動力を、現在それらを専門とする多領域の研究者の手で纏めた論文集。
監修=越宏一 ビザンティン美術による聖堂の壁画や彫刻は如何に信仰に生かされたか。感情の容器としての祈念像や、神の意志伝達手段としての黙示録、更には教皇庁美術の始まりに至るまで中世美術の基幹をなすキリスト教的世界観を中心にヨーロッパ思想や芸術を総合的に捉えた5冊。